ちょっと一息:海外駐在員コラム

アメリカ、ヨーロッパ、シンガポール、そして中国より現地での体験談や話題など様々な情報をお届けいたします。

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ヨーロッパ編

第3話 「欧州のここが新鮮」
2004/8/13
AT&T 英国駐在員 八文字(ヤツモンジ)ヤスオ

外国に身を置くことは異なる遣り方に戸惑ったり、新鮮さを覚えたり、また祖国の有難さを再認識する機会にも恵まれるものです。オランダ・アムステルダムでの出来事。仕事柄良く通りかかるドイツ領事館の前には朝早くからドイツへの入国ビザを求めるトルコ人が沢山集まり、建物からはみ出して歩道まで続く長い行列を作っているのを日常的に見かけました。冬の雨の日は大変お気の毒。同じ外国人でもほとんどの欧州の国々はビザ無しで入国が許されるわが日本人の幸運さを思う時、このような有り難い関係を築き上げ次世代に引き継いでくれた祖国の先達のご苦労に感謝の念を強くします。オランダでは日本の運転免許証は自動的にオランダの免許証に変更してくれますが、アメリカの運転免許証はそのままでは変更が出来ず、実技テストを受け直すそうで、アメリカ人の同僚から羨ましがられたものでした。

九州ほどの国土に1700万人が住むオランダは人口密度で日本を上回ります。この国の国土の実に半分近くは数百年に及ぶ干拓事業によって海を陸地化したものですが、「世界は神が創りたもうた、ただしオランダはオランダ人が造った」、とオランダ人が自慢げにお話する所以です。この干拓事業で大活躍したのが名物の風車です。 アムステルダムにある日本人学校は近代的な建物で広い運動場も備わっています。オランダの普通の小・中学校に比べるとその立派さは雲泥の差。この日本人学校の敷地はアムステルダム市の持ち物で、その借地料は年額1ギルダー(ユーロ通貨に統合される以前のオランダ通貨。1ギルダーは約60 円)とか。日系企業招致のための優遇措置の一環であるとは言え、過密で悩むアムステルダムでこんな粋な計らいを可能とする都市・土地政策に感心しましたが、司馬遼太郎は「街道をゆく」の取材の中でこの話を耳にして「これこそ文明だ」と語ったそうです。

英国のスーパーでの買い物の支払いはデビットカード(銀行のキャッシュカード)が今や主流です。長い行列を尻目に小切手を書く人は最近では殆ど見かけなくなりました。デビットカードでの支払い時に必ず「Cash back?」と尋ねられます。これはスーパーのレジでのCashingサービスで、銀行に行かなくてもスーパーで買い物時にレジでお金の引き出しが可能となります。また、手数料なしで24時間/365日利用できる銀行現金自動支払機も便利です。領収書さえ提示すれば返品に応じてくれる商習慣も有難いものです。常識的な例外(例えば食品等)はありますが、サイズの合わない衣類、部屋にマッチしない家具、衝動買いした品々、二週間以内であれば領収書さえ提示するだけで堂々と(?)と返品できます。あれこれ悩まないで、まずは試してみて、気に入らなかったら交換/返品に応じます、との考え方が根底にあるようです。

英国での運転は日本と同じ左側通行ですが、当初戸惑うのはランド・アバウトと呼ばれる環状交差点です。"交差点には信号があるもの"に慣れきっている日本人には最初は違和感がありますが慣れてしまえばそのシステムの素晴らしさが分かってきます。"右側優先"というたった一つのルールだけで、交差点での車の流れをなるべく止めることなく制御できる優れもの、と大いに感心しております。多めの土地を必要としますのでロンドン市内には多くはありませんが郊外の交差点はこのランド・アバウトが主流です。

英国の、「誉めて育てる学校教育」、「子供が高熱を出した時の水風呂(夜で医者に行けない際に、高熱を下げるために。水といってもぬるめのお湯)」、「看板が見当たらない田園風景」、「暴走族を見かけない高速自動車道」(理由はほとんどのドライバーがすでに暴走族だから、暴走族になっても誰も注目しない?)、「厳罰を科すこともある未成年者凶悪犯罪への対処」、「長い行列の中でも決してイライラした様子を見せない我慢強い人々」、等も新鮮に映ります。

さて今回の「完全無欠な欧州人とは?」

The perfect European should be generous as a Dutchman.
「オランダ人のように気前良く!!」

オランダ人はケチで通っています。Go Dutch、Dutch accountとは"割り勘"のこと。オランダ人に上手く仕事を頼むコツは"どんどん食事に誘って奢っちゃうこと"が効き目がありそうです。

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