ちょっと一息:海外駐在員コラム
アメリカ、ヨーロッパ、シンガポール、そして中国より現地での体験談や話題など様々な情報をお届けいたします。
ヨーロッパ編
- 第6話 「英国との相性」
- 2004/10/13
- AT&T 英国駐在員 八文字(ヤツモンジ)ヤスオ
英国と日本は不思議な共通点があることに気付きます。まず島国であること。英国は欧州の一つの国ですが、英国人は大陸側の欧州を「ヨーロッパ」と呼んで、大陸側と適当な距離を保って付き合っています。欧州統一通貨Euroへの冷めた対応や、対イラク戦争でのフランス、ドイツよりアメリカとの協調重視にその一端が垣間見えます。アジアに位置しながら、アジアの国と言うより「日本は別」と見られている日本と似ています。また、英国にジョン・ブル魂があり、日本に大和魂があります。長い歴史を持つこと、王室(皇室)があるところも共通点。それに両国とも歴史のある一時期、何と「海賊」で名をはせた国でありました。16世紀にエリザベス1世の密命によりドレイク提督は、行く先々でスペインの財宝を拿捕してついには世界一周を成し遂げましたが、言ってみれば彼は王室公認の海賊軍団の頭でありました。方や、東の島国わがニッポンもまたしかり。13ー16世紀、荒くれ倭寇の神出鬼没振りは周辺諸国を打ち震えさせた、と歴史の本に書いてあります。
ある方からの受け売りになりますがそのお話によりますと、数ある国々の中で英国がそれなりの国として認める国の条件が3つあるそうです。まず長い歴史があること、次に王室があること、そして3番目は過去の世界的大戦で勝利をおさめたことがあること、だそうです。いかにも英国的発想ですが、この三条件はわが国も立派にパスする条件であることに気が付きます。海向こうのフランスは残念ながら王室が絶えてしまいましたので三条件を満たしませんが、フランスに王室が存続していたら、フランス/英国間が何かにつけてギスギスする関係が避けられるのかも知れません。日本が第3の条件を満たすこととなるのはご存知の日露戦争の勝利。(今年は丁度日露開戦100周年。この戦争によってロシアは“初めてアジアに敗れた白人国家”とのレッテルを貼られるに至りました。)その戦争を終結させるポーツマス講和会議で日本勝利の証としての南樺太の割譲を得られたのは、当時同盟関係にあった英国からの会議期限ぎりぎりに寄せられた、「ニコライ皇帝は南樺太割譲も止む無し、と発言」、との極秘情報提供であった、と最近知るに及んで、この条件を日本が満たすことにも英国が深く係っていたと納得し、英国との不思議な縁を感じました。最も多くの日系企業が欧州進出の第一歩を英国に踏み出した歴史的事実がありますが、経済上の理由や言葉・人材の理由もさることながら、結構な類似点があることや歴史的に近しい関係があったこと等からくる“相性のよさ”が他の欧州の国より好まれた、とも言えそうです。英国人はプレゼントを差し出す時に、“This is a small present”、と付け加える謙虚な所があり、そんなところも我々日本人と波長があうようです。ただ良いことばかりの歴史で無かったのも事実で、当地では8月15日は“VJ DAY”と呼ばれています。“Victory over Japan Day”つまり“日本に勝利した日”なのです。
さて今回の「完全無欠な欧州人とは?」
The perfect European should be sober as the Irish.
「アイルランド人のように酒をたしなまず!!」
アルコール好きで有名なアイルランド人。英国人も同じようなものです。至る所にパブがあります。其の昔、シティのバンカーはお昼時は近くのパブに出向いて取引先や同僚・上司とビールを飲みながら“ビールだけのランチ”を楽しんだそうですが、あれは仕事の延長だったようです。パブとは「Public House」の略で元々はお酒を飲む所というより、人と会い話をする場所。日本の喫茶店・居酒屋・スナックをまぜこぜにしたようなものです。
一献傾けながらの商売談義、これは洋の東西を問わないようです。
