最新動向レポート
第56回 アフィリエイト・サービスの可能性は無限に拡大する
- 日本アフィリエイト・サービス協会 会長
- バリューコマース 取締役・創立者
- ティム ウィリアムズ 氏
個人のブログやECサイトなどでの導入が進んでいるアフィリエイト・サービス。アフィリエイト・サービスの急速な普及・拡大にともない、その統計データの整備やガイドラインの構築などを求める声も高まりつつある。そんなニーズに応えるべく、このほど「日本アフィリエイト・サービス協会」が設立された。初代会長に主任したティム ウィリアムズ氏に設立の目的と今後の活動について聞いた。
(2006/6/30)
−− アフィリエイト・サービスが、個人のブログやECサイトなどで幅広く活用されています。
ティム ウィリアムズアフィリエイト・サービスは「成果報酬型」のプログラムです。そのコンセプトは、じつは1994年頃にはすでに知られていて、当時から米国ではいくつかのECサイトなどで利用され始めたとされています。実際に日本国内でアフィリエイト・サービスが本格的に提供されたのは1999年です。その年の11月18日からバリューコマースがアフィリエイト・サービスを提供開始しました。ここにきて、個人のブログやECサイトなどで幅広く活用され、その認知度が急速に高まっていますが、じつは1999年末からはサービス提供が始まっていたのです。
インターネットにおける広告プログラムの流れを振り返ってみると、1994年頃から「表示回数保証型」が普及し始めました。Webサイトに「1000回の広告掲載」を保証する代金として広告掲載料金が支払われるというプログラムで「CPM(シー・ピー・エム:Cost Per Mille)」と呼ばれていました。その後、1998年頃には「クリック保証型」のインターネット広告が広く利用されるようになりました。これは、Webサイトや電子メールにテキスト広告やバナー広告などを貼り付け、その広告がクリックされるたびに料金が発生するという仕組みです。そして、1999年からは「成果報酬型」のアフィリエイト・サービスが本格的に利用され始めるようになったのです。現在、大まかな数字ですが、約10000サイトのECサイトでアフィリエイト・サービスが利用されており、個人のブログなども合計すると莫大な数のWebサイトでアフィリエイト・サービスが活用されています。
−− そのような状況の中で2006年5月に日本アフィリエイト・サービス協会(以下、JASK)が設立されました。その目的とどのような活動をするのかについて聞かせてください。
ティム ウィリアムズ現在、個人のブログ、ECサイトなどでアフィリエイト・サービスが利用されています。とりわけブログの爆発的な普及は、アフィリエイト・ネットワークへの個人の参加の拡大を促進し、アフィリエイト・サービス利用者の底辺を急速に拡大しました。今後もこの傾向は続くでしょう。「成果報酬型」というコンセプトをベースとしたアフィリエイト・ネットワークの規模は、拡大の一途をたどることが予測されているのです。
しかし、一方では急速な市場拡大にともない、解決すべき課題もでてきました。たとえば、物販のECサイトであれば、アフィリエイト・サービスによって「ある品物が売れたら成果報酬を支払う」という、比較的、「わかりやすい」ルールを設けることができます。ところが会員登録の場合「資料請求をした場合には成果報酬は支払われないのか」「申し込みまではしたけど、その後に実契約に至らない場合にはどうなるのか」など、さまざまなケースも考えられますね。その際に「どのようなトランザクションが発生したときに成果報酬を支払うのか」という定義があいまいなままでプロモーションを開始してしまうと広告主とアフィリエイト・パートナーの間で問題が起こります。健全なアフィリエイト・プログラムの提供、そして「明確な指標の設定」など、アフィリエイト・サービスを提供する事業者として取り組むべき課題を見出し、早急に解決していく。アフィリエイト・サービスを提供する際の、いわば「ガイドライン作り」を行い、それによってアフィリエイト・サービス業界の「健全なる発展」を促進することが協会設立のひとつの目的です。そのために、アフィリエイト・サービス提供者間でオープンに、フェアに情報交換をしていきます。そして一般のインターネット利用者やアフィリエイト・パートナー、広告主たちに対して「正しい情報」を発信していきます。また、統計データの整備も重要な活動だと考えています。
−− アフィリエイト・サービス産業の健全なる発展のための基盤整備と啓蒙活動を進めていくのですね。
ティム ウィリアムズアフィリエイト・サービスには、一般のインターネット利用者、アフィリエイト・プログラムの提供者、Webサイトの提供者、ECサイトの運営者など、さまざまな個人や事業者が参加することになります。一般のインターネット利用者にしてみれば、あるサイトを訪れて、そこにあるアフィリエイト・サービスを利用して他のECサイトにアクセスしたとき、そのECサイトが健全で信頼できるサイトかどうかを確認することは現実には難しいですね。また、アフィリエイト・サービスを導入するWebサイト側でも、アフィリエイト・サービスの提供者を信頼していいのかどうか不安を感じるかもしれない・・・。そんなとき、「このサイトアフィリエイト・サービスはJASKに加盟している事業者によって提供されています」となれば、アフィリエイト・サービスそのものも信頼できるものだし、怪しげなECサイトへのリンクがされることもない、利用者もアフィリエイト・パートナーも安心できる。協会設立によって、今後も安心してアフィリエイト・サービスを活用してもらえる環境を整えていきたいのです。
−− アフィリエイト・サービスは今後もますます拡大・普及する・・・。新たな可能性についてお考えを聞かせてください。
ティム ウィリアムズアフィリエイト・サービスは、個人がブログなどに利用していることから急速に普及してきています。今後は、個人だけではなく法人のアフィリエイト・パートナーがますます拡大していくと考えています。たとえば、ECサイトでは物販の金額の数パーセントが成果報酬として支払われる仕組みが多いのですが、クレジットカード会社や航空会社などは自社の会員専用サイトで会員にECサイトを紹介し、送客することで一括して受け取った成果報酬をポイントやマイルに換算して会員に付与しています。アフィリエイト・プログラムはさまざまな企業、コミュニティと融合して活用できるものなのです。また、アフィリエイト・サービスはブログなど「Webサイトでのみ提供される」と考えられがちですが、携帯電話のサイトでも提供可能ですし、ポスターにQRコードを埋め込んで、そこからアクセスする人がいたら成果報酬を受け取れるといったアフィリエイト・サービスも可能です。そうなるとWebサイトのみならず、雑誌の広告、看板、ポスターなどオフラインの媒体でもアフィリエイト・サービスを導入できるようになる。可能性は無限なのです。
