最新動向レポート
第61回 急成長で話題のケータイSNS「モバゲータウン」
- 株式会社ディー・エヌ・エー
- モバイル事業部
- エンターテイメントグループ グループリーダー
- 畑村 匡章 氏
携帯電話で利用できるソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「モバゲータウン」。サービス開始からわずか9カ月で会員数が200万人を突破するなど、急速な勢いで「拡大」している。パソコンで利用するSNSとはどこが違うのだろうか。新たなサービスは、今後、ネットワークサービスをどう変えていくのだろうか。
(2006/12/4)
−− 携帯SNS「モバゲータウン」(http://mbga.jp)は、わずか9ヶ月で会員数が200万人を超え、あちこちで話題になっています。このサービスをはじめたきっかけを教えてください。
畑村まず、弊社の既存事業について説明します。弊社は、1999年にインターネットのオークションサイト「ビッダーズ」(http://www.bidders.co.jp/)をはじめて、その後、3年ほど前からモバイル向けの事業に注力し、2004年に携帯電話向けのオークションサイト「モバオク」(http://mbok.jp)を開始しました。これは、カメラ付き携帯で写真を撮ってすぐに出品できる手軽さに可能性を感じたためです。今ではおかげさまで74万人ほどの有料会員にご利用いただいています。もうひとつ、モバイル事業で強いサービスが、携帯専用のアフィリエイトネットワーク「ポケットアフィリエイト」です。このサービスには、アフィリエイト広告を張っていただける媒体が27万サイトほどあります。
順調にトラフィックを稼ぐ「モバオク」と「ポケットアフィリエイト」という二つの武器を使って、新規事業を立ち上げたいと考えてスタートしたのが「モバゲータウン」と、千趣会さんとのジョイントベンチャーのファッション系ショッピングサイト「モバコレ」(http://mbkr.jp)です。
「モバゲータウン」は、2005年の8月くらいに企画を開始して、2006年の2月にサービスインし、11月には会員が200万人を突破しました。企画を検討しはじめた当初、私たちはモバイルでのゲーム市場の急激な伸びに注目しました。その時点で、良質なゲームをたくさん無料で提供しているサービスがなかったので、そのようなサービスを提供すれば、お客様が集まってくるのではないかと考えたのです。ただ、無料でゲームを提供するだけだと、お客様の滞在時間が短くなってしまうという懸念もありましたので、そこにコミュニティの要素も盛り込んでいくと面白いのではないかと考えました。
−− 「モバゲータウン」の人気コーナーや、一般的なSNSとは異なる特徴や魅力はどんなものでしょう?
畑村ひとつはゲームを楽しんでいただいていることです。通信対戦型のゲームは、夜になると入室できないこともあるほどです。ゲームの内容はクイズ、リバーシ、大富豪、麻雀などとなっています。また、アプリのダウンロードなしですぐに遊べるFlashゲーム(非対戦型)も人気です。
もうひとつはSNSが盛り上がっていることです。今年9月のデータですと、1日あたり掲示板は80万回、日記は15万回の投稿、Webメールの送信回数が250万あります。直近のサークル(コミュニティ)の総数は22万あります。
動画の投稿も盛んで、トランプマジックのテクニックを披露しあったり、パラパラのサークルで振り付けを投稿していたりと、携帯ならではの使い方をされていると思います。15秒ほどの短い動画ではありますが、手軽にアップできるということもあって、動画投稿の数では、国内のPC向けブログに投稿されている動画の数よりも多いのではないかと感じています。
パソコン向けのSNSと異なる点は、パソコン向けほどリアルと結びつきが少ないので、ユーザー同士がカジュアルな関係性を保てるということです。あまり現実的な関係性を持たなくていいので、「SNS疲れ」といわれるような心の圧迫感が少なく、気軽に声を掛け合って「癒される」経験ができるのではないかと思います。
−− 今後のモバゲータウンの展開について、教えてください。またモバイルコンテンツ業界はどのように発展していくとお考えでしょうか?
畑村まずゲーム分野でのナンバーワンサイトを不動のものにし、携帯向けSNSとしても絶対的な地位を築きたいと思っています。この二軸に加えて、ニュース記事や検索、天気予報などのツール類も導入していく予定で、携帯でのナンバーワンポータルサイトを目指しています。その結果、早期に会員1千万人に到達したいですね。
モバイルコンテンツ業界は、やはりデバイス機能の進化に伴って発展しており、これからもそうだろうと思っています。私たちがモバゲータウンを立ち上げることに踏み切ったのも、端末が高性能になり、ゲームアプリも容量が増え、通信速度もアップし、パケット料金定額といった環境があったからです。これから端末の機能や通信速度がさらに向上したら、モバゲータウンもそれにあわせて進化し、現在のパソコン向けサービスに近づいていくのではないかと考えます。
