最新動向レポート
第74回 注目を集めるミニブログサービス
- 株式会社DGインキュベーション
- 投資・事業開発本部 マネージャー
- 枝 洋樹 氏
- http://www.dgincubation.co.jp/
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)とは異なる、新しい形のコミュニケーションとして注目を集めているのが「ミニブログ(マイクロブログ)」だ。日常のちょっとした一言をネット上に公開して友人と共有する……ゆるい形のコミュニケーションができるところが受けて、日本でもブレークした。そんなミニブログサービスの代表的な存在『Twitter』が、この春に日本語化される。同サービスの日本語版を開発する株式会社DGインキュベーションの枝洋樹氏に、ミニブログの現状と日本語版の進捗状況をお聞きした。
(2008/2/6)
−− 昨年の春頃から、日本でも数多くのサービスが登場しました。ミニブログの魅力は、どんなところにあるのでしょうか。
枝ミニブログサービスが登場したのは、2006年秋のことです。アメリカのTwitter社が同名サービスを10月に開始し、瞬く間にユーザーを増やしました。日本でも、Web上の新しいサービスに興味を持つ方を中心に、ユーザーが増加しています。2007年のゴールデンウィーク前後に、日本国内でも注目を集め始めました。同種のサービスが相次いで登場したほどです。
ミニブログの魅力は、その“ゆるさ”だと思っています。ミニブログは、そのとき感じたこと、そのときにしていることなど、「ちょっとした一言(つぶやき)」をネット上に書き込んで公開します。登録したフォロワー同士で、そのつぶやきを交換していく……というのが基本です。メールやIM(インスタントメッセンジャー)によるコミュニケーションとは違い、特定の相手に向けた言葉ではありません。だから、利用する上で気兼ねをすることが少ない。日本人に、とても向いたコミュニケーションの形を提供しているのがミニブログだと思っています。
実際、Twitterユーザーによるオフ会は非常に多く開催されています。「暑い! ビール飲みたい!」という誰かの一言に「私も!」「オレも!」という反応が返って、突発的な飲み会が開かれる。という話もよく聞きます。ゆるやかなつながりの中で、参加者それぞれが自由にコミュニケーションできるのが、ミニブログの魅力だと考えています。
−− 代表的なミニブログサービス『Twitter』の日本語版の開発を発表されましたね。
枝はい。当社が米Twitter社と資本・業務提携を結び、日本語版のサービスを開発します。サービスの開始は、今年の春を予定しています。
Twitterは、ミニブログサービスの先駆けとも言える存在です。エヴァン・ウィリアムス(ブログサービス「Blogger」を開発し、その後Google社に売却)が始めたサービスで、世界中に数多くのユーザーを持っています。英語版のサービスであるにも関わらず、日本人ユーザーが多いのはTwitterの特徴です。昨年11月の時点では、全世界のトラフィックのうち2割を日本が占めているという統計結果が発表されています。
Twitterを通じて「今までと違う、新しいコミュニケーションの形」を提供できると考えたのが、日本語版開発のきっかけです。前述したとおり、ミニブログサービスは日本の文化にあったコミュニケーションの形だと考えています。SNSにはない価値を持つ、サービスになるだろうと思っています。とはいえ、英語のままでは“敷居が高い”と感じる人がいるのも事実です。UIを中心に日本語化することで、より多くの方にミニブログの面白さ、楽しさを感じてほしいと考えています。
開発の進捗状況を伝えるアカウント「twj」は、アカウントを用意したことをTwitter上で告知してから2時間で200、三週間経った時点では1400以上のフォロワーがいます。国内ユーザーの期待の高さを感じますね。その期待に応えられるように、開発を進めたいと考えています
−− 日本語版ならではの独自機能などは、用意する予定なのですか。
枝Twitterそのものに新機能を追加することは、現時点では考えていません。Twitterはシンプルで完成された使い勝手を持つサービスです。APIを公開することで、IMや独自クライアントなどからも利用できる形になっています。「使い手が、好きなように利用形態を選べる」という、Twitterの良さを維持したいと考えています。したがって、現在開発している日本語版で変更になるのは主にUIと考えて頂いて結構です。ユーザーに見える部分を日本語化することで、Twitter自体の“敷居”を下げる方向で開発を進めています。
もちろん、国内ユーザーの皆さんからは、いくつかの要望は寄せられています。「APIの制限を緩和してほしい」という声もありますし、「今の使い勝手を維持してほしい」という声もあります。こうした意見をTwitter社に伝える役割も担っていきたいと思っています。
一方で、周辺環境の整備には力を注ぐつもりです。たとえば、当社のグループ企業が提供する「食べログ」や「価格.com」の情報をTwitter上で検索できる仕組みですね。Twitterで「@tabebot 地名」や「@kakakubot 商品名」と入力すると、該当の情報が帰ってくる機能を用意しました。このように、Twitterそのものの使いやすさと、より便利に使える環境を整えていきたいと考えています。
