AT&Tのサービス導入事例−ネットワーク統合運用管理−

USER事例1 株式会社 商船三井様

グローバルな海運ビジネスを支えるネットワークの安定性を向上
〜AT&Tの統合運用管理システム「GEMS」で実現〜

2001年10月、商船三井様(以下、敬称略)では、専用線フレームリレーをIP-VPN に切り替えるにあたって、AT&Tが提供するネットワークの運用管理サービスを導入した。AT&Tは、優れたネットワーク統合運用管理システム「GEMS (Global Enterprise Management System )」を駆使して、海運業者の生命線であるネットワークの安定稼働を実現。的確なネットワーク増強計画を立てるための多様なネットワーク稼働情報を提供するなど、商船三井の競争力強化を確実に下支えしている。
災害対策を含めてネットワーク運用をアウトソーシング

商船三井は、コンテナ、自動車、原油をはじめ、多種多様な貨物を扱う総合外航海運会社として、世界最大級の規模を誇る。商船三井グループの船隊規模は約600隻で、年間約3 億トン相当の貨物を輸送する。船の運行に関わるあらゆる業務でシステム活用が進んでいるが、特に25 万個相当のコンテナが船上(海上)、陸上を問わず全世界を動き回るコンテナ船では情報システムの高度利用が重要で、同社では何十年も前のテレックスの時代から情報通信網とコンピュータを活用したシステムを構築してきた。

「どのコンテナが世界の何処にどういう状態であるかといったきめ細やかで動態的な在庫管理をきちんとできるのは、顧客サービスの基本となるので、このシステムを支えるネットワークの役割は極めて重い」と商船三井情報システム室室長高谷昌宏氏は語る。
2001年9月の米国同時多発テロ以降、ディザスタ・リカバリの重要性が世界中で注目されているが、商船三井ではこれに先立つ1999年1月から、災害対策を真剣に考え、その結論として、メインフレームおよびネットワークの運用管理を日本アイ・ビー・エムへアウトソーシングした。

その後、日本アイ・ビー・エムのネットワーク・サービス事業部が分離独立し、AT&Tが誕生。商船三井のアウトソーシング業務のうち、ネットワークの運用管理をAT&Tが引き継ぎ、高度な管理ノウハウを駆使して信頼性の高いサービスを維持してきたのである。

伊藤 丈夫 氏
株式会社商船三井
経営企画部専任部長
伊藤 丈夫 氏
運用管理サービスの質の高さがIP-VPN 提供業者選定の決め手
2001年、商船三井は、新3カ年中期経営計画「MOL next」をスタートさせた。「世界の海運をリードする強くしなやかな商船三井グループ」をキャッチフレーズに、連結売上高9000億円を1兆円へ飛躍させることを目指す。グループ全体がMOL next 達成を目指し、各部門が取り組む具体的な目標へとブレイクダウンを行うなかで、ネットワークについては2つの目標が浮かび上がった。 ひとつは、ネットワーク・サービスの品質をさらに向上させること。もうひとつは、運用コストを削減して、利益率向上に寄与することである。

商船三井では、国内ネットワークを専用線フレームリレーで構築してきたが、専用線は回線使用料がかさむ。リーズナブルなコストで必要な回線容量を確保でき、今後の最新技術をいち早く取り入れられる環境としてIP-VPNへ切り替えることにした。 IP-VPNへの切り替えは、ディザスタ・リカバリの視点で見ても意義があった。

「自前で専用線を抱え込むことはそのまま災害時のリスクを抱えることにつながります。虎ノ門の本社ビルが停電しただけで、世界中のビジネスが止まってしまう体制ではいけません。たとえ本社ビルが壊れても世界は残るのです。強い会社を作るには、コンピュータの運用をアウトソーシングするだけでなく、回線そのものまでアウトソーシングすることが大切です」と、商船三井経営企画部専任部長伊藤丈夫氏は強調する。

IP-VPNの導入にあたっては、3社の提案を検討したが、最後の決め手となったのは、AT&Tが提供する運用管理サービスのクオリティの高さであった。AT&Tは、同社が世界最先端のノウハウを結集して開発した統合運用管理システム「GEMS」を使って24時間365日の監視を行う。しかも、ユーザー企業は、Web ブラウザだけ搭載したPCを使って、自社が利用しているネットワークの状況をリアルタイムに確認することもできる。

商船三井の場合、システムの安定運用に直接の責任を持っているのは、同社の子会社である商船三井システムズであり、ネットワークの状況をリアルタイムに確認するのも、商船三井システムズの役割だ。
 「回線とその運用をアウトソーシングしても、コントロールは当社が主体でなければなりません。それができるという点で、GEMSの存在は大きかった」と、商船三井システムズ常務取締役高橋昭男氏は言う。
統合運用管理システム「GEMS」がネットワークの安定性向上に貢献

商船三井では、2001年10月から、IP-VPNの利用を開始した。専用線フレームリレーをIP-VPNに切り替えたことにより、以前と同じ回線容量を35%安い使用料金で利用できるようになったのである。AT&Tの運用管理サービスの利用により、ネットワークの安定性、信頼性も大きく向上した。

ルータが故障するなどの事態が発生すると、即座にAT&Tから商船三井システムズへメールで通知される。商船三井システムズでは、障害時にはAT&Tのヘルプデスクの方で障害の切り分けを行っているので、影響を与えると判断される商船三井の支店や担当部署へ、正確な情報をいち早く伝えることができる。


高谷 昌宏 氏
株式会社商船三井
情報システム室室長
高谷 昌宏 氏
高橋 昭男 氏
商船三井システムズ株式会社
常務取締役
高橋 昭男 氏

「ネットワークを流れる情報は、5年前に比べると20倍といったテンポで急増しています。それにもかかわらず大きな問題が起きていないのは、商船三井システムズとAT&Tのパートナーシップによる運用管理が、うまくいっている証拠だと受け止めています」と高谷氏は評価する。

障害発生時の問題の切り分けにかかる時間も短縮できた。以前は、ユーザーからクレームの電話をもらい、商船三井システムズが状況を確認し、運用管理センターへ連絡を行っていた。

しかし、いま遠隔地で起きている障害がネットワークに起因するものであるかどうか、商船三井システムズで切り分けを行うには時間がかかっていた。現在は、ユーザーが不都合を感じるより前に、AT&Tから原因が指摘され、対策を講じられるようになったのである。GEMSの詳細な情報提供により、計画的なネットワークの増強ができるようになった。たとえば2002年3月、広島支店の回線容量を128Kから192Kへと拡張したが、この拡張では、ネットワーク・トラフィックなどの数値から拡張時期と最適回線容量を正確に計算することができた。

「広島支店の回線容量が不足がちだという認識はありましたが、これまでなら、回線容量をどれだけ増やせば最適であるか迷うところです。GEMSを通じて、1日の中でのトラフィックと、数カ月単位の長期的なトラフィックの両面が正確に把握できたからこそ、192Kで十分と判断できました」と、商船三井システムズネットワークサービス部ネットワークサービスチーム専門課長石渡浩氏は言う。

MOL next が着々と成果をあげるなか、商船三井でのネットワーク利用はさらに高度化し、データ処理量の増大だけでなく、多様なサービスの実現が求められている。

「AT&Tには、最新技術を使って、より速くより安くネットワークを利用できるような提案を期待しています」と、商船三井システムズネットワークサービス部副部長兼ネットワークサービスチームリーダー永瀬真吾氏は結んだ。

USER PROFILE

商船三井
社名 株式会社 商船三井
本社 東京都港区虎ノ門2丁目1番1号
創 業 1884年
設立 1942年12月
資本金 649億1,535万1,028円
売上高 6,938億5,400万円(2002年3月期)
社員数 1,044人(他社等への出向者を除く)
事業概要
自動車専用船、油送船、LNG(液化天然ガス)船、穀物/石炭など梱包しない乾貨物をそのまま運搬するパルクキャリア、そして客船クルーズの5事業を展開。LNG輸送プロジェクトでは世界トップシェアを誇る。
http://www.mol.co.jp
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